インフルエンザと治療

クリニック周辺地域でインフルエンザ患者さんが増えてきました。インフルエンザはウイルス感染ですので、基本的に自分の免疫力で自然治癒します。ただし、実際には抗インフルエンザ薬を使用することが多いでしょう。治療により発熱時期は短くなり、大体は2日くらいで元気になる印象です。抗インフルエンザ薬は、内服、吸入、点滴と各種あり、一回の感染につき一種類のみ使用可能です。年齢や内服の得意不得意などにより、使用するお薬を決めると良いと思います。私の印象では、どのお薬も効果はほぼ同じですね。インフルエンザの感染では異常行動の出現が指摘されていますが、お薬の影響とは考えられていません。インフルエンザの感染と急な高熱により、いわゆる熱せん妄という意識消失のような状態になり、突然走り出したりするという異常行動が出現すると考えられています。ですので、インフルエンザと診断されたら、2日間程はお子さんを一人にすることなく、様子を見るようにしてください。インフルエンザは、いつの頃からか凄く危険な感染症のように扱われていますが、決してそのようなことはありません。お薬もありますし、経口摂取をしっかりして安静にしていれば軽快しますので、発熱したら怖がらず、大慌てせずに受診してくださいね。ちなみに、インフルエンザの予防に対する治療薬の投与は、保険診療では認められていませんので、すべて自費となります。

小児の花粉症やアトピー性皮膚炎に対するステロイド内服使用に関して。

ステロイドは非常に良い薬です。
小児科の領域の病気でも、白血病などの血液の病気や腎臓の病気、膠原病など、ステロイドがあるおかげで治癒できるようになった難治性の疾患もたくさんあります。しかし、もちろん副作用もあり(有名なところでは免疫異常や肥満、性格変化でしょうか)、特にこどもが安易に内服するお薬ではないと私は考えています。内服(飲む)すると全身に効果が現れることになり、もちろん使用していると効き目が出ますが、いわゆるリバウンドという、止めると症状のぶり返しが出る事が多いので、結局長期間止められなくなって副作用の出現する可能性が高くなります。
今は花粉症の季節で、クリニックを受診されるお子さん達の中にも他院でステロイド剤を処方されており、それと同じ物が欲しいと言われることもありますが、私は処方しません。症状の強い子もいますが、他の内服や点鼻で頑張ってもらいます。また、アトピー性皮膚炎に対しても内服薬が投与されていることもありますが、そちらも止めてもらっています。普段元気なこどもが長期間内服する薬ではないと考えているからです。クリニックでステロイド内服処方するのは、喘息発作の状態や蕁麻疹くらいで、せいぜい2日程度です。これだと効果がほどよく得られて、副作用もありません。
ただし、外用(吸入や点鼻、塗り薬)は別です。 こちらは鼻や気管支、皮膚の体の一部に使用する物で、長期使用しても体に入るステロイドの量は極微量であり、それによる副反応はほぼ無いとされています。ですので、花粉症のステロイド点鼻、喘息のステロイド吸入、アトピーの塗り薬には、むしろ積極的に使用しています。患者さん達にもしっかり使用するように指導していますし、それで治癒しており、使用中も中止後も特に副作用はありません。
ステロイドは本当に良い薬ですし、私も良く処方 しますが、その適応は少し考える方が良いと思います。ダラダラ内服しなくても、抗アレルギー剤の併用や外用との組み合わせで良くなりますよ。